日常を旅してみよう

お隣に住む80代半ばのおばあちゃんがなくなりました。

 

このおばあちゃん、70歳近くで横浜より引っ越してきたようです。
私が移住する2年ほど先になりますかね。

 

車も無く、2km先の駅に出かけるのは自転車です。
買い物も駅のそばのスーパーに自転車で行ってましたが、潰れてしまったため今は宅配サービス（生協など）を利用しています。

 

毎朝4時頃から家の周りをきれいに掃き清めてました。

ぺんぺん草も生えない位に、本当にきれいにしてました。

引っ越してきてから何年かは、会えば挨拶し会話もしていました。

でも、しばらくすると話も目も合わせなくなりました。

 

なんで？
唯一のお隣サンなのに。

 

おばあちゃん、近所の人ともほとんど交流がありませんでした。
会話を交わす姿も、あまり見かけたことはありません。

子どもが離れて暮らしているようですが、一度も見かけたことはありません。

盆暮れ正月もいつも一人のようでした。

 

目も合わせなくなって何年か経ちますが、お歳も歳だし独りだしと言うことで気には掛けていました。
何かあったら、やはり隣の者としてすぐの対応しなければと考えていましたから。

 

 

 

この1週間くらい雨戸が閉まりっぱなしです。

1､2日なら病院通いで家を外すことがありましたが(以前住んでいた近くの病院に通っていたようです）。

3日経ち4日経ち、雨戸が開く気配がありません。

庭を掃除した様子もありません。

 

入院でもしたかもしくは………。

親族の方の連絡先も知らないし、どうするべきか？
変に消防や警察に連絡して、大騒ぎさせても良いものかと考えていました。

 

とにかく、異変があればすぐに連絡しようと雨戸の上部にあるガラス窓を注視してはいました。

昨日の日曜日、仕事から帰った14時頃そのガラス窓を見ていました。

 

蠅が何匹も飛んでいる。

いつもきれいにしている人が、1匹だけじゃなく３，４，５，６匹……。

 

普通じゃない。

直ぐに妻を呼び窓ガラスの様子を見せそして、玄関に回りました。

扉を開けようとするが、鍵がかかって空きません。
ガチャガチャと扉の隙間が開いた瞬間、異臭がします。

 

 

これはただ事ではない。

でも、実際に現場を見られた訳では無いので警察や消防に電話して良いの？

こんな時迷います。
何事も無く、大騒ぎさせちゃったらと。

 

同じ集落に東京の消防署に勤めている方がいるのに気づき、連絡して来てもらいました。

これは安否確認と言うことで、直ぐに警察に連絡した方が良い。
やはりただ事ではないようです。

 

慣れない110番に通報。

間もなくして消防士（レスキュー隊）、警察が見えました。

その間に親族の連絡先が分かり、事情を伝えます。

レスキュー隊が窓ガラスを割って侵入。

 

 

ベットの上で眠るようにして亡くなっていたようです。

 

 

 

 

 

警察の話では、雨戸が開かなくなったと思われる1日目には無くなっていたようです。

つい最近まで、毎朝夕の庭掃除をしていたのに。

ちょっと前に駅方面に自転車乗っていたのに。

誰にも気づかれず1週間近くそのままだった状態。

突然死（ぽっくり）のようなので、直ぐに確認できても遅かったかもしれないがそれでも何日も放置ということは避けられなかったか。

 

国は県や市などの行政の対策、ケアには限界がある。

もう少し親族が気にする必要もあるが、遠方に住んでいれば無理な面もある。

隣人や近所で見守る体制。
体制と言ったら固く聞こえるが、周囲に目が行き届く環境、コミュニティーが必須であると思えた出来事であった。

 

 

ただ、おばあちゃんが良く言ってました。

朝起きたとき、今日も生きてたかと思うの。
死ぬなら、寝たままそのまま逝きたいなって。